昔ながらの瓦屋根ってどんな仕組み?土葺き工法をわかりやすく解説

こんにちは。新ルーフテック興業です!

現代では瓦屋根を施工する際、地震に強くて軽い屋根にするために「引掛け桟工法(ひっかけさんこうほう)」という工法が主流になっていますが、昔の日本の家では「土葺き(つちぶき)工法」と呼ばれる方法がよく使われていました。

今回は、そんな昔ながらの瓦屋根の工法、土葺き工法についてご紹介します。どんな特徴があるのか、メリットやデメリット、そして今リフォームするときにはどう対応するのがいいのかなど、わかりやすくご紹介します!

土葺き工法とは?

「土葺き工法」とは、昔の日本家屋でよく使われていた瓦屋根の施工方法のひとつです。

名前の通り、瓦の下に“土”を使って瓦を固定する工法で、現在のように釘や金具を使って瓦を留めるのではなく、粘り気のある土を厚く敷き、その重みと密着力で瓦をしっかりと支えていました。

この工法は、日本の気候や風土に合わせて発展してきた伝統的な技術で、特に戦前や昭和初期までの住宅では一般的でした。また、使われていた瓦も今よりも重みがあり、厚手の和瓦(いぶし瓦など)が主流だったため、土と瓦の重さで安定させるこの工法が理にかなっていたのです。

昔ながらの工法と聞くと、今の住宅には合わないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は土葺き工法には当時ならではの良さがたくさんありました。

屋根の下に厚く敷かれた“葺き土(ふきつち)”が、断熱材のような役割を果たしてくれます。土の厚みが外の熱をしっかりと遮ってくれるため、夏は太陽の熱が屋根に直接伝わるのを防ぎ、冬は室内の暖かさを逃しにくくし、季節に関係なく快適に過ごせるという特徴があります。

土は音を吸収する性質があるため、屋根を叩く雨の音や外からの騒音をやわらげる効果もあります。

土は湿気を「吸ったり、吐いたり」する天然の調湿材です。湿度の高い日は余分な湿気を吸収し、乾燥した日は蓄えた水分を放出してくれます。

土の重みと粘着力で瓦がしっかり固定されているため、金具を使わなくても瓦がズレにくい構造になっています。特に風が強い地域では、土が瓦の下で“おもし”の役割を果たして、強風でも飛ばされにくいという利点がありました。

土葺き工法は、昔の日本の気候や暮らしにとてもあった優れた工法ですが、現代の住宅事情や自然災害のリスクを考えると、注意すべき点やデメリットもいくつかあります。

土葺き工法では、瓦の下に3~5cmほどの厚みで葺き土を敷き詰めます。これに加えて和瓦自体も重いため、屋根全体の重さが非常に大きくなるのが特徴です。

重い屋根は、地震の際に建物全体の揺れを大きくしてしまいます。特に土葺きの瓦屋根は、地震の揺れに合わせて瓦がズレたり、落下する危険性があります。

土葺き工法は、構造がシンプルなように見えて実はとても手間がかかる工法です。たとえば、瓦が割れて雨漏りしている場合、その1枚を取り替えるだけでは済みません。下の葺き土も傷んでいたら、その部分を一度全部取り除いて、土を入れ直し、再度瓦を葺き直す必要があります。

瓦の隙間から長年の雨風にさらされると、中の土が少しずつ流れ出してしまうことがあります。土が減ってしまうと、瓦を支える力が弱まり、瓦のズレ・落下・雨漏りといったトラブルの原因となります。

土葺きの瓦屋根が劣化するとどうなる?

一見しっかりして見える土葺きの屋根ですが、年月とともに、土葺きの瓦屋根も少しずつ劣化していきます。放っておくと、思わぬトラブルにつながることもあります。

瓦の下の土が経年で固くなったり、乾燥・崩れ・流出すると、瓦の隙間から雨水が入り込みやすくなります。本来、土はある程度の防水性と調湿性を持っていますが、劣化が進むと役目を果たせなくなります。

土葺き工法で使用される土は、ある程度弾力を持ち、揺れやズレを吸収する役割を果たしていますが、年数が経過すると、雨風や乾燥、湿気などの影響で、この葺き土は次第に水分を失い、固く締まっていきます。すると、本来のクッション性が失われ、外からの揺れや衝撃をうまく吸収できなくなり、瓦がズレやすくなるのです。

さらに、土が固くなることで、瓦の裏に隙間ができたり、地震や強風などで土ごと瓦がズレてしまうケースもあります。

土葺き屋根は、瓦だけでなく「土」も大量に使っている為、非常に重いのが特徴です。この重さは常に柱、梁、基礎にかかり続けており、住宅が古くなって構造材が劣化している場合、重さによって歪みやたわみが発生しやすくなります。

現代の修理・リフォームではどうするの?

土葺き工法は、昔ながらの味わい深い工法ですが、地震や強風、雨漏りなどのリスクがあるため、現代の住まいには少し不向きな面もあります。

そこで、今のリフォームでは耐震性やメンテナンス性を高めるための方法が取り入れられています。それが、「引掛け桟工法(ひっかけさんこうほう)」です。

引掛け桟工法とは?

引掛け桟工法とは、かつての土葺き工法とは違い、屋根の下に土を使わず、瓦を木材の桟(さん)に引っ掛けて、釘やビスでしっかり固定する工法です。

この工法は、軽量で地震に強く、施工性にも優れているため、新築からリフォームまで幅広く使われています。

引掛け桟工法は、現在の瓦屋根で最も多く使われている施工方法です。「軽い・強い・メンテナンスしやすい」この3つの要素を兼ね備えており、地震や台風の多い日本の住宅にピッタリです。ここでは、引掛け桟工法ならではの特徴をわかりやすくご紹介します。

昔の土葺き工法は瓦の下に大量の土を使っていたため、屋根全体が非常に重くなっていました。一方、引掛け桟工法では土を使わずに瓦を固定するため、屋根が軽量化されます。

この軽量化によって、地震の揺れによる負荷が軽減され、建物全体の耐震性が向上します。

引掛け桟工法では、瓦を桟木に引っかけた上で、釘やビスでしっかり固定します。これにより、強風や地震の揺れでも瓦が動きにくく、ズレたり落ちたりするリスクが大幅に減少します。

土葺き工法は、瓦の下に土が詰められているため、一部の瓦を交換するだけでも大がかりな作業になることが多いです。それに比べて引掛け桟工法では、1枚単位で簡単に瓦を外したり交換できるため、日常的なメンテナンスがしやすくなります。

現在流通している瓦は「防災瓦」「軽量瓦」など、高性能で安全性に優れた製品が主流です。これらの瓦は、もともと引掛け桟工法を前提に設計されているため、施工性や安全性がさらに向上します。

とくに防災瓦は、瓦同士が噛み合うような構造になっており、引掛け桟工法と組み合わせることで、より強固な屋根になります。

土葺き屋根からリフォームするタイミング

築年数の長い和風住宅や昔ながらの瓦屋根のお住まいにおいて、「うちの屋根、大丈夫かな?」と感じたことはありませんか?とくに土葺き工法が使われている屋根は、長年の雨風や揺れにより、見えないところでじわじわと劣化が進んでいることもありますので、何か被害に遭う前に劣化状況を見極め、リフォームや修理を考えなければなりません。

土葺き工法の屋根は、昭和中期以前の住宅によく見られます。築30年以上経っている屋根は、土が固く締まりすぎたり、逆に崩れてしまったりして、瓦がズレやすくなっていることがあります。まずは点検からでもOKですので、一度プロの目でチェックしてもらうことをおすすめします。

瓦の位置が少しずつズレていたり、部分的に割れている場合は、屋根内部の土が劣化しているサインかもしれません。土が崩れると瓦を固定する力が弱まり、台風や地震の際に落下の危険も。このような状態を見つけたら、早めの修理または葺き替えの検討が大切です。

屋根からの雨水の侵入は、住まい全体の劣化を早めてしまいます。土葺き屋根の場合、瓦の下の土が水を含みすぎて流れ出すこともあり、被害が広がりやすいです。雨漏りを発見したら、できるだけ早くリフォームの準備を始めましょう。

最近では、住宅の軽量化・耐震化を目的に、重い屋根を軽い屋根材に替えるリフォームも増えています。「屋根が重そう」「地震が心配」と感じる場合は、土葺き屋根から引掛け桟工法や軽量金属屋根への葺き替えを検討する良い機会です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?土葺き工法は、日本の伝統的な屋根づくりの技術として、長年にわたって多くの住宅を守ってきました。重厚感のある佇まいと、自然素材を活かしたつくりは魅力的ですが、やはり年月とともに劣化しやすい部分もあります。

「瓦がズレているかも?」「雨漏りが心配」「うちの屋根、土葺きかも?」そんな不安が少しでもある方は、放置せず早めの点検やご相談をおすすめします。

屋根は家を守る大事な“傘”です。定期的なチェックと必要に応じたリフォームで、これからも安心して住み続けられる家にしていきましょう。

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